●軽い物忘れから始まり、徐々に日常生活が正常に送れなくなってしまう病気です。
●出来るだけ初期のうちに治療し、進行を遅らせることが重要です。
●高血圧や糖尿病、コレステロールの管理や日ごろの運動が発症予防に有効です。
●アルツハイマー病以外の疾患(脳こうそく、甲状腺疾患など)との鑑別が重要です。
新しいことが記憶出来なくなる。
今まで出来たことが出来なくなる。
普段から良く使う道で迷子になる。
物の位置関係があやふやになる。
物忘れが他人にばれないように取り繕う。(プライドが保たれる)
・・・などの症状が代表的です。
クリニックでは、「長谷川式簡易痴呆スケール」などの質問形式のテストが一般的に行われます。
画像検査では、脳MRIやCT、脳血流SPECT、PETなどが行われます。
特徴的なのは海馬(側頭葉の内側)の萎縮や糖代謝の低下といわれています。
将来的にはもっと客観的なマーカーが開発されて、初期の(あるいは発症前の段階で)アルツハイマー病の治療が可能になるようです。(髄液などの検査が行われるようです)
軽度の物忘れなら誰でも経験がありますが、いつも「年のせい」にしていては、初期のアルツハイマー病を見逃してしまいます。
治療のチャンスは、初期にあると言えます。
なぜなら、現在開発されているお薬の効果は、「進行を遅らせる」ものが大部分であり、「元の状態に戻す」ものとは言えないからです。
新薬登場!
今まではアルツハイマー病の治療薬は、日本では唯一つに限られていました。
この度、海外では標準治療薬であった複数の薬が、日本国内で使用できることになりました。
これを受けて、アルツハイマー病の治療に対する関心が益々今後高まっていくことが予想されています。
「軽度認知障害」という、症状がごく軽い状態から治療を開始することで、発症を抑制し、長期間正常に近い能力を保つことができるようになることが期待されています。
他の病気が隠れていないか?
アルツハイマー病の症状と紛らわしい疾患として、
脳血管性痴呆(多数の脳こうそくにより、脳機能が低下している状態)
慢性硬膜下血腫、水頭症
うつ病、せん妄状態
甲状腺機能低下症
その他全身性代謝疾患などがありますので、それらとの鑑別が重要です。
問診や血液検査、画像検査により概ね診断が可能です。
昨日の夕食が思い出せない、今まで出来ていたことが出来ない等は初期のサインかもしれません。
いくつか当てはまる症状がある方は、是非ご相談下さい!