<前兆のない片頭痛>
A.次のB~Dを満足する発作が5回以上ある。 | |
B.頭痛発作が4~72時間持続する。 | |
C.次のうち、少なくとも2項目を満たす。 | |
1. | 片側性頭痛 |
2. | 拍動性頭痛 |
3. | 中等度~強度の痛み(日常生活が妨げられる) |
4. | 階段の昇降など日常的な動作により頭痛が増悪する。 |
D.発作中、次のうち1項目を満たす。 | |
1. | 悪心及び/あるいは嘔吐 |
2. | 光過敏及び音過敏 |
E.次のうち1項目を満たす。 | |
1. | 病歴及び身体・神経所見より器質性疾患を否定しうる。 |
2. | 病歴及び/あるいは、身体及び/あるいは神経所見より器質性疾患が疑われても検査により否定できる。 |
3. | 器質性疾患が存在しても、経過より片頭痛との関係が否定できる。 |
A.次のBを満たす発作が2回以上ある。 | |
B.次の4項目のうち、3項目を満たす。 | |
1. | 一過性の前兆があり、脳皮質あるいは脳幹の局所神経症状と考えられる。 |
2. | 前兆は4分以上にわたり進展し、2種類以上の前兆が連続して生じてもよい。 |
3. | 前兆は60分以上持続することはない。2種類以上の前兆の組合わさるときは、その分持続時間が延長する。 |
4. | 頭痛は前兆後60分以内に生ずる。(前兆より以前あるいは同時でもよい) |
C. 次のうち1項目を満たす。 | |
1. | 病歴及び身体・神経所見より器質的疾患を否定しうる。 |
2. | 病歴及び/あるいは、身体及び/あるいは神経所見より器質的疾患が疑われても検査により否定できる。 |
3. | 器質的疾患が存在しても、経過より片頭痛との関係が否定できる。 |
難しい言葉も含まれているのでわかりにくい所もあるでしょう。
簡単に説明すると
1.脳の中に命に関わる病気はない。
2.頭痛はひどい時には寝込んでしまう事があり、仕事や勉強に支障が出る。
3.「がーんがーん」と拍動する事がある。
4.気持ちが悪くなったり吐いてしまうことがある。
5.ひどい頭痛は大体4日以内には治まるが、またしばらくすると痛むことが多い。
6.頭痛の間は、光や匂い、音などに敏感になることがある。
7.痛むのは片側の事もあれば両側の事もある。
8.寝不足、寝すぎ、月経、飲酒、ストレス、炎天下の運動後などに生じやすい。
9.頸や肩のコリを伴うことが多い。
10.頭痛の直前に目がチカチカしたり視界が狭くなることがある。(前兆のある片頭痛)
等の特徴があります。
頭痛の回数が少なく、市販のお薬がすぐに効く人は当分は受診しなくても良いでしょう。
頭痛の回数が多い人、市販薬が効かずに困っている人、市販薬を飲む回数が多い人は一度受診することを考えてみて下さい。
頭痛日数もしくは頭痛薬服用日数が月に10日前後以上ある人は、治療を要します。
そのような状態に近い方も、一度受診されてはいかがでしょうか。
<治療法>
1.生活改善(食事・生活習慣など)
2.予防薬による頭痛の減少
3.適切な頓服薬による頭痛発生時の救済
予防薬や頓服薬の種類は患者さんによって違います。
予防薬としては、ミグシス(テラナス)、デパケンR(セレニカR)、トピナ、トリプタノール、ノリトレン、リボトリール、インデラル等が学会でもその有効性が確認され、推奨されています。
頓服薬としては、マクサルト、レルパックス、イミグラン、アマージ、ゾーミッグ等の「トリプタン製剤」が有効であり、推奨されています。
患者さんによっては、SG顆粒、ロキソニン、ボルタレン、ナイキサンなどを単独で使用したりトリプタン製剤と併用したりすることもあります。
不安感や抑うつ気分などの症状がやや強い患者さんの場合には、不安を軽減するお薬(セルシン、コンスタン、デパス等)を併用すると片頭痛の頻度や程度が減少することがあります。
妊娠希望の女性やお子様等の場合、漢方薬が望ましいケースもあります。