顔面痙攣の原因は、顔面神経と小脳動脈との接触によるものとされています。
緊張やストレス、血圧上昇などとの関連も無視は出来ません。
症状は、瞼を開けにくくなる、痙攣する、口や頬の筋肉までピクピクする、などです。
人前だと余計に出やすくなる傾向があります。
脳の検査で外科的な緊急事態等がない場合は、通常は放置されます。
症状がひどいと社会生活に支障を来す場合がありますので、治療を行うことがあります。
治療法
まず内服薬が試されることが多いようです。
処方する医師によってまちまちですが、一般的にはクロナゼパム(ランドセン、リボトリール)、ジアゼパム(セルシン)カルバマゼピン(テグレトール)などが候補となります。
効果が無い場合や薬の副作用(眠気やふらつきなど)で続行不可能な場合は、ボトックス注射が選択されることがあります。
施設によっては、ボトックス注射は行わずに開頭手術を行うところもあります。
手術では、顔面神経とそれを圧迫している血管との間にクッションを挟み、血管の刺激が神経に伝わらないようにします。
手術の成功率は比較的高く、危険性もさほどないのですが、全身麻酔で開頭手術を受けるのは誰でも抵抗があるものと思います。
そのような方にはボトックス注射をお勧めしています。
費用は1回約15000円(3割負担の方)です。
効果は個人差がありますが、約3カ月から6カ月程度です。
ボトックス治療の実際
ボトックスは目の周り、頬、口の周り等の筋肉に0.05~0.1mL程度(1.25~2.5単位)を数か所ずつ皮下注射(筋肉注射)します。注射前に麻酔テープを貼付してから極細の針(30ゲージ)を使用して注射します。
痛みや恐怖感を和らげるため、前述のように注射前に60~90分程度麻酔テープを使用しますので、痛みはかなり軽減出来ます。(痛みはゼロとはいかないまでも、麻酔をしないよりはかなりマシなようです)
効果は2-3週間経ってから出る方もおられますので、出来れば最低1カ月は経過観察して頂きます。
効果が不足している場合には追加が可能ですが、大よそ十分量のボトックスを注射した後は、抗体産生などの事情により3カ月は間隔を開けたほうが良いと言われています。
*当院は正規ボトックス注射の認定を受けています。