肩こり」の有病率は高いもので、おそらく全人口の50%近くは一生のうち何度か肩こりに悩まされるようです。
ビジネスマンの方の精神的ストレス、細かい作業をする方の物理的ストレス、コンピューターを扱う方の眼精疲労的ストレスなどは肩こりの大きな原因となります。
でもそれ以外に、「ジストニア」が単なる「肩こり」と診断されていることがとても多いのが現実です。
「ジストニア」とは「痙性斜頚」のことで、軽症の方は見過ごされます。
頭痛も起こりますが、多くの方は頭痛よりも頸部痛と強烈な肩こりが主な症状です。
不思議と、睡眠中には痛みが発生する事がほとんどありません。
概観上は、頸部の傾斜・回旋、筋肉の肥大などが見られることがあります。
また疲労やストレスで悪化する傾向があります。
治療法
内服薬、ボトックス注射でかなりの改善が見られることがあります。
治療薬は様々な種類が試されることが多いようです。
軽症の方は、ミオナールやテルネリンなどの筋弛緩剤を使用しますが効果は限定的です。
他に、アーテン(パーキンソン病治療薬)、マイスリー(睡眠薬)、ガバペン(抗てんかん薬)、リオレサール・ギャバロン(筋弛緩剤)、モービック(消炎鎮痛剤)などが使用されます。
不安感や緊張感が強い方は、抗不安薬を併用する場合もあります。
ボトックス注射に関しましては、その効果の持続性や費用から、いきなり初めから行うことは多くはありません。
3割負担の方で、1回につき15000円から多ければ5万円近くかかってしまいます。
しかも効果が3~6カ月ですので、医療費が問題となってきます。
最重症な方は、脳神経外科的な手術(定位脳手術)が行われることもありますので、ご希望の方は可能な施設をご紹介いたしますのでご遠慮なくお申し出ください。